injcr

コワーキングスペース改修計画

 

 

 

下関は、赤馬関=馬関と呼ばれ、古くから海運や貿易および金融に関連した産業が盛んで、江戸期には西の「浪華」と呼ばれた。
また、北九州とは本州・九州の接点、大陸への玄関口として発達してきた。
両市による関門都市圏は、経済・文化面でのつながりが深く日常的な往来があり、過去には関門特別市構想として一体となる動きもあった。

ファサードは門型とし「関」としての機能とインパクトを持たせている。
「関」には、出入口や関門・関税・繋ぎとめ・機関・かんぬきなどの意味がある。
どれも人と人の関わりが深く関係しており、当事業における人の出会いや交流にリンクする。

日本人には自然のものでもピュアなカタチをしているものをシンボル化する精神がある。
富士山や日の丸のように。

門を「潜ること」で、航路における西の玄関口としての日本らしい「おもてなしの心」を示す。利用客は、手で押し潜ることで気持ちを切り替えられ、仕事や勉強に勤しむ。

客席は大きな島のようになっている。
利用客はそこに着岸する。
森のように点在する机が多数あり、好きな時に好きな場所を利用できる。

多岐にわたる利用形態を考慮した構成としていて、机の組替えも可能だ。島の周囲はバリアフリーに対応しているし、配線類も上床の床下に隠蔽できる。メンテナンスもしやすい。また、奥に設置したロッカーやドリンクコーナーも収容人員に応じたサイズとしていて、利用の自由度を持たせている。

コロナ禍により、これからの社会のあり方が問われている。
この計画では、ニューノーマルにおける日常にフォーカスしていて、対面者同士の物理的間隔を約2m程度確保することで、直接的な接触が極力少なくなるような配置・構成をとっている。
場合によっては、設置するカーテンで仕切ることができる。グループや個別利用も可能だ。

この場所は、様々な人々・業種の交流が生まれる場所だ。
物理的距離を保つというネガティブな要素を転じて、場の余白と、それに見合ったこれからの関わり方・共存の仕方のひとつの提案である。

 

クライアント:プロポーザル
事業内容:リノベーション計画